DX促進やRPA導入をしたい! ならば…。

モダンExcelとは、比べ物にならない! 強力なPAD

Power Automate Desktop(PAD)も含む、Power Automate RPAに関して、Microsoftは次のようにその優位性を示しています。詳しくはリンク先をご参照ください。

使いやすく、迅速に実装でき、無限の可能性を得られるなんて、素晴らしい!

PAD、かなりイケてます!

PADを使えば、自動化も進み、業務効率化も進むと思います。

おススメツールですよ!

業務効率化や自動化なら、モダンExcelも負けてないぜ!

そうそう、モダンExcelもすごいわね!

業務効率化や自動化という点で共通項のある「モダンExcel」(パワークエリとパワーピボット)とPower Automate Desktop(PAD)というイケてるツールを、簡単に比較してみました。

ツール用途守備範囲
Power Queryデータを「抽出する(Extract)」「変換する(Transform)」「読み込む(Load)」というETLツールデータを収集し、きれいなデータに整理するまで
Power Pivotデータを分析し、見える化する、データビジュアライジングツールきれいなデータを使い、データを分析し、見える化するまで
Power Automate Desktop(PAD)何でも簡単にデスクトップから自動化するツール。組織内外のシステムに連携できるなど、強力な接続で自動化できるのが売りの一つ非成型なデータでさえも、AI-OCRなどを使いきれいなデータにできる。データであれば、とにかくいろいろなことができる

各ツールで、得手不得手があるのね。
使い分けがポイントですね

うまくいかないDX、その理由を探る!

便利な時代になりました!

DX(デジタル・トランスフォーメーション|Digital Transformation)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション|Robotic Process Automation)が話題となる昨今ですが、うまくいかない理由も様々あるようでして…。

世の中のつぶやき、事例をまとめてみました。

ここで取り上げましたツイートは、ごもっともな意見だと思います。それぞれの意見があってよいと思います。これらのツイートに対し、否定するものでもなければ、批判する目的もありません。あらかじめ申し添えます。

仮説 「情シスが最大の敵」

これは、最近よく耳にします。Power Automate Desktopのような「市民開発者向け自動化ツール」の登場で、情シスの存在意義が問われているからなのでしょう。

仮説 「業務部門がDXの課題」

「ITがわかる人に丸投げ」、これも事実としてありますね。

仮説 「理不尽な経営者」

上記を踏まえ「ITがわかる業務担当者」が、経営者に対して「こんな便利な自動化ツールがあるんです! 使わない手はないですよ、社長!」といってみたら、こうなってしまった、という悲しい現実。

このツイートに対する反応がこちら。

経営者の頭の中は「業務効率化」だけじゃない!

いかがでしょう?

ツイートを読んでいると「現場」「業務担当者」の言いたいことも良くわかります。

しかし、一方だけの意見で判断するのは早計です。

意見というのは、両方の言い分を聞く必要があります。

裁判もそうよね、原告・被告双方の意見を聞くもの。
RPAや自動化などについて、現場の担当者の意見だけではなく、
経営者の言い分も知りたいわね

そもそも、経営者の頭の中は、色々なことでいっぱいです。

売り上げのこと、人材のこと、資金繰りのこと、とにかくいろいろです。

今はコロナ真っ盛りで、感染予防や時短営業とか、とにかくいろいろ考えて経営しているのです。

忙しい、頭の中いっぱいの経営者を捕まえて、「社長、こんな便利なツールがあるんです!」「とにかくすごいんです!」と意気揚々とお話ししたところで、自動化ツール導入なんて話、うまくいくはずもありません!

現場では「無料で自動化できるのに(泣)…」「便利なのに、なぜRPAやVBAで自動化しない(怒)!」、となりがちですが、経営者はとにかくいろいろなことが頭の中にあり、もちろん「業務の効率性」にも目配りしなければならないことはわかっています。

RPAだって、DXだって、流行っているから、聞いたことはあるはずでしょうし、ちょっとした経営者であれば興味がないわけではないはずです。

ただ、経営者の頭の中は、「業務の効率性」ばかりではないのです。

後述するように「内部統制」も意識して経営をする必要があるということを、立派な経営者であれば必ずご存じのはずだからです。

したがって、業務担当者が「自動化ツールを導入すれば、業務を効率化できる!」「会社の業務改善にもつながるRPAは、最高!」というだけでは導入はままならない、これは自明の理なのです。

参考となる事例

「業務改善したい!」という現場の業務担当者。

「RPA? そんなのダメだ!」と、簡単には首を縦に振らない経営者。

両者のギャップは、下記の事例で明らかになるはずです。

これらは、経営者が常に意識すべき事案です。詳細はリンク先をご覧ください。

プロジェクトリーダー(PL)が不正なプログラムを介在させて2億円を着服していた、という事例です。

典型的な不正手口で、我々の業界では「スキミング」「サラミ」などと呼んだりします。

続いて、機密情報の横流しの事例。

こうした事案に対する、警察の見解。

経済産業省も警鐘を鳴らしています。

営業秘密の不正取得は、10年以下の懲役または2000万円以下の罰金が科される。法人にも罰則があり、海外に流出させた場合は10億円以下の罰金となる。

こんなツイートが。

ここまでの「結論」

自動化ツールは、便利な反面、危険も満載だ、ということ。

「悪意」があれば、自動化ツールで色々と「不正」なことができる、ということ。

うひょー😻
営業秘密の情報漏洩なんて、
RPA導入すれば、ちょろいじゃん!

自動化ツールのメリットだけではなく、デメリットもしっかり把握した上でなければ、安易な導入はお勧めできません。

野良bot

小生は、中小企業から上場企業、外資など、様々な経営者とのお付き合いがあるのでわかります。

根本にあるのは、自動化につきものの「野良bot」問題です。

古くはVBAマクロ、さらに昔にさかのぼったオフコン時代から、野良bot問題はありました。

上記のような営業秘密の情報漏洩だけではなく、「サラミ」「スキミング」という横領の手口としても「野良bot」というシステムに不正なプログラムが組み込まれた事例が、古くから多数存在しているのです。

不正会計事案については、拙著をご参照ください

自動化につきものの「リスク」を知っているから、経営者は簡単には首を縦に振らず「自動化ツールは、導入しない!」という決断になったのかもしれません。

そもそも「ITって、よくわかんないし…。とりあえず、ダメ!」ということ、なのかもしれませんが(笑)。

どうすればよいにゃ?

リスク、そして野良bot。どうしましょうか? どうしますか?

リスク対応に投資は必須

野良botと上手に向き合うには、それに見合った「投資」が必要、ということです。

そして、投資をする、つまり自動化ツールを導入するというのであれば、経営判断をするために材料が必要になります。

投資のメリットとデメリットをしっかり示さない限り、経営者は容易に首を縦に振ることはないと思います。こうした経営者の姿勢は、ある意味IT投資の本質を突いているともいえ、上述の参考事例も踏まえれば、当然です。

逆に、「おー、そんな便利なものがあるのか! よくわからないけど、入れちゃえば(笑)」というようでは、野良botがはびこり、経営リスクが増すことにもつながってしまいます…。

こういう経営者がいるから、不正会計がなくならない…

あなたがすべき3つのこと

「自動化ツールを導入したい!」「RPAを入れれば、こんなことに使え、会社にも貢献できる!」と主張されるのであれば、業務担当者であるあなたがしなければならないことは、少なくとも3つあります。

①自動化すべき対象業務の洗い出し

②自動化するメリットとデメリットの比較衡量

③「野良bot」問題が顕在化しないような仕組みづくり

最低これら3つを踏まえ、経営者に自動化ツールの導入を提案する必要があると思いますが、いかがでしょう。

それでも「ダメだ、ダメだ! 自動化ツール導入はダメだ!」という経営者がいるとすれば、あなたのプレゼンに問題があるのか、経営者の判断能力に問題があるのか、どちらかということです。

後者であれば、「こんな会社、こちらから願い下げだ!」でよいのではないでしょうか(笑)

業務効率化と内部統制とMicrosoftの対応

組織の業務には「内部統制」という不正に対応する仕組みが必要になります。不正があらかじめ起きないようにするための「予防統制」と、不正が行われた際に事後的に対処するための「発見統制」、これら2つの内部統制という仕組みが必要になります。

この内部統制には「4つの目的」が存在します。

  1. 業務の効率的かつ効果的な遂行
  2. 財務報告等の信頼性の確保
  3. 業務に関わる法令等の遵守
  4. 資産の保全

これら4つの目的を達成するため、内部統制には「6つの基本的要素」が必要とされています。

  1. 統制環境
  2. リスクの評価と対応
  3. 統制活動
  4. 情報と伝達
  5. モニタリング(監視活動)
  6. IT(情報通信技術)への対応

これらを図示すると、こうなります。

そして、事前の「予防統制」と事後の「発見統制」という「リスクコントロール」の仕組みを組み合わせて「不正のトライアングル」に対処するのが「内部統制」です。

このように、内部統制は組織運営に欠かせない仕組みの一つなのです。

内部統制を「IT統制」の観点から一言だけ解説すれば、「予防統制」として自動化プロセスの業務フローへの組み込みは「承認」を必須とし、それでもすり抜ける「野良bot」を確実に探し出す「発見統制」が必須、という二重のコントロールが必要になります。これは、業務改善を考える際にも当然必要なことです。

そして、予防統制については先述のように、自動化ツール導入時の「承認」プロセスがポイントになります。

発見統制と有償版PAD

「発見統制」は、どうしよう?

では、「発見統制」はどう考えればよいでしょう?

発見統制は、予防統制よりも難しいと思います。

なぜなら、異常点を知り尽くしていないといけないからです。

そこで、Microsoftさんは考えてくれました。

Microsoftさんの「Power Automate Desktop」、通称「PAD」は、「発見統制」の仕組みを「有償」で用意してくれたのです。

つまり、裏を返せば「無償」のPADには、この「発見統制」がないわけです。

う~ん、これは大丈夫なのかしら? と心配になる…。
無償版でセンシティブなデータを使うべきではないはずで…。
会社データはセンシティブなんだけど…。

敬愛するMVPのツイートです。

ここが、ポイントか!

「だから管理機能とかない」つまり「発見統制」がないわけです。

ということは、もうお分かりですよね。参考事例のようなことが簡単に起こりうる、そうしたリスクがPAD無償版にはある、これを踏まえたうえでPAD無償版を利用する、ということになります。

「業務の自動化」「RPA導入」を考えるのであれば、この辺りを踏まえて、経営者に上手にプレゼンする必要があります。

そもそも、PADの無償版は全機能を体験できるあくまでも「お試し用PAD」です。本来業務で使うべきではないものです!

業務でPADを使いたいのであれば、「発見統制」機能がある、「管理機能」を備えた「有償版PAD」を導入しなければなりません!

さもなければ、簡単に「野良bot」がはびこり、上記参考事例のような不正事案にさらされることになります。

そして、無償版PADを本来業務で使うことを勧めた「あなた」が、その責めを取らされることになるかもしれませんよ!

過去にそうした事例に直面したことがあります。

良かれと思ったことが、あだとなり、その方は会社を懲戒処分されてしまいました…。

社長が自動化ツール導入に簡単に首を縦に振らなかったのは、そうしたことが背景にあるとお考え下さい。

まとめると、ツイートのとおりだと思うのです。

ツイートの図表を拡大したものが、これ。

画像

自動化ツール導入提案における3つのポイント

社長の頭の中が、よくわかりましたあ!
それでも、自動化ツール導入は会社のためなのです~
どうしても導入したいのです~(泣)

Power Automate Desktopをはじめとする流行りのRPAを自社に導入したいというのであれば、こうです。

自動化すると、こんな感じで業務を効率化できるんですよ!(メリットの明確化)

残業代で換算すると、こんなにコスト削減効果が期待できます!(メリットの数値化)

こうしたメリットをプレゼンすることは必須です!

これだけでは、まだ足りません!

メリットは、わかった。
で、リスクにはどう対応するんだ!?

安心してください。もちろんリスクにも対応しています!
「野良bot検出」機能が充実していて、内部統制もばっちりです!
それには月額1,630円~、ちょっとだけ負担も必要ですが…。
いかがでしょう?(リスクコントロールに対する費用負担の明示)

合点、承認!

自動化ツール導入の参考になれば幸いです。

ご健闘を祈っていますよ!

モダンExcel研究所

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