第14回 ピボットテーブルよりもPower Pivotを使うべき理由

パワーピボットを使うとデータが圧縮されます!

データモデルに追加すると軽くなる

図表1のように「ピボットテーブルの作成」で「このデータをデータモデルに追加する」に☑すると、強力な圧縮技術を搭載する「メモリ内分析エンジン」という機能を使用してデータをメモリに格納してくれます。

図表1 データモデルに追加する

Microsoftの説明によれば、その効果は元の状態に比べて7倍から10倍もデータが小さくなるというのですから驚きです。

これは、ビッグデータになるほど「データモデルに追加する」=Power Pivot for Excel(以下、パワーピボットと呼びます)を使うメリットがあるわけです。

圧縮の具体的なイメージ

図表2をご覧ください。

図表2 元々のデータセットと列データ

例えば、元々のデータセットのCategoryという列(A列)を見ると、いちご・ばなな・いちご…という具合に縦にデータが並んでいますが、その内容はいちご・ばなな・りんごの3つだけということが列データ(Columnar Database)を見るとわかります。

このように「データモデルに追加する」ことで、データを必要最小限度に圧縮した列データをもとにピボットテーブルを作成できる、これがパワーピボットというモダンExcelなのです。

パワーピボットを使うメリット、換言すれば列データの意義は、①ファイルサイズを削減でき、処理スピードを上げられる、②いわゆる『104万行の壁』を乗り越えられ、ビッグデータ解析が可能になる、③別の連載回で解説するDAX(データ分析式)で複雑な計算も簡単にできる、などの点を挙げることができます。

以下、ピボットテーブルにないパワーピボット独自機能のうち、経営管理に役立つ[階層の作成]をご紹介します。

階層の作成

パワーピボットの[階層の作成]機能で、データをコンパクト化することができます。

図表3の範囲テーブルには元々[項目][数量]という2列のデータしかありませんが、以前ご紹介した[リレーションシップ]により、エリアテーブルから[エリア]列、担当者テーブルから[担当者]列を範囲テーブルに取り込んでいます。

図表3 階層の作成

この[エリア]列と[担当者]列という複数の項目を一つにした[エリア-担当者]列が、[階層の作成]機能による「階層」です。

図表4のようにフィールド全体を折りたたんで2行にしたり、全体を展開して3行にしたりということが簡単にでき、「鳥の目、虫の目」を使い分けてデータを眺める際に便利な機能です。

図表4 階層の折りたたみと展開

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「正しいモダンExcel」の使い方の基本を学ぶには、Power Query(パワークエリ)とPower Pivot for Excel(パワーピボット)の両者を「一体理解」する必要があります。
ぜひ、拙著「モダンExcel入門」(日経BP)で学んでみて欲しいと思います。
サンプルデータで、実際に手を動かしながら、理解を深めることもできます。参考にしてください。

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今回のポイント


・「ピボットテーブルの作成」で、「このデータをデータモデルに追加する」に☑するとデータが圧縮され、軽くなるよ


・パワーピボットにはピボットテーブルにはない「階層の作成」のような便利な機能があるよ

モダンExcel研究所

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