Zチャート

Zチャート、3つの要素

売上高の推移をみる経営管理ツールの一つに「Zチャート」があります。

Zチャートは、売上高という一つのデータを3つの切り口に分けて作成した折れ線グラフです。

  1.  当月売上(各月の売上高)
  2.  累計(各月の売上高の累計)
  3.  移動年計(当月の売上高+過去11か月分の売上高)

これら3つの折れ線グラフの形が「Z」のようになるので「Zチャート」と呼びます。

鳥の目・虫の目・魚の目

経営管理で大切なことは、数字に対する目線です。

一言でいえば「鳥・虫・魚の目」を持つことが経営管理のポイントです。

「鳥の目」で全体を俯瞰し、異常点があれば「虫の目」で詳細を把握しなければなりません。

こうした目線を持つには、「魚の目」で推移=トレンドを把握する必要もあります。

こうした文脈で考えると、一般的に行われる各月の売上の変化だけを見ているというだけでは、経営管理は不十分だと言えます。もちろん、前月比較や前年同期比較も経営管理に必須です。しかし、これだけでは不十分。

なぜなら、推移=トレンドをとらえる「魚の目」がないからです。

Zチャートの意義

では、どのように売上高のようなデータを見ればよいのでしょうか。

売上高のようなデータは、各月の売上高の変化とともに、その累計と直近1年の売上累計(= 移動年計)を複眼で見るようにすると良いでしょう。

Zチャートを使えば、季節的要因による月ごとの微妙な売上の変化を吸収でき、「当月売上」「累計」「移動年計」という3つの要素から売上傾向を明らかにできます。

各折れ線グラフの見方

それぞれの色に着目しながら、図表と以下の解説を見比べてください。

1. 当月売上(各月の売上高)→ ブルーの折れ線グラフ

例えば、2021年12月の売上金額9,226,029などに対応します。

このブルーの折れ線グラフから、各月の売上推移を把握できます。

一般的に売上管理で用いる手法です。

2. 累計(各月の売上高の累計)→ オレンジの折れ線グラフ

この事例では、期首1月、期末12月です。

期首1月から当月までの累計を表します。

このオレンジの折れ線グラフから、3つのパターンを読み取ることができます。

  • 売上一定=直線的
  • 売上増加=下に凸の弧を描く(逓増)
  • 売上減少=上に凸の弧を描く(逓減)

3. 移動年計(当月の売上高+過去11か月分の売上高)→ グレーの折れ線グラフ

当月+過去11か月分の売上高です。常に12か月=1年分のデータを見る工夫になります。

このグレーの折れ線グラフは季節変動を吸収しますので、大まかな傾向を把握できます。

事例のように「右肩上がり」であれば、売り上げが「伸びている」ことを示します。

その反対に「右肩下がり」であれば、「減少傾向」。

「横ばい」ならば、「現状維持」。

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Zチャートの見方

成長型

移動年計(グレーの折れ線グラフ)が右肩上がり、つまり前年と比べ伸びていることを示します。

この事例では、5月と9月に売り上げの大きな山があることにも留意が必要です。どんなイベントがあったのか、要因は何か、次につなげられるヒントは何か、など掘り起しがポイントです。

現状維持型

移動年計(グレーの折れ線グラフ)は凸凹がありますが、ほぼ横ばいといってよいでしょう。

横ばいということは、前年と比べ変動なく、ほぼ現状維持の状態を示します。

累計(オレンジの折れ線グラフ)もほぼ直線的に推移しています。

衰退型

移動年計(グレーの折れ線グラフ)が右肩下がり、つまり前年と比べ衰退傾向にあることを示します。

当月売上(ブルーの折れ線グラフ)は低位で推移していることもわかります。

打開策が必要な状況と言えます。

モダンExcelなら、サクッとできる

Zチャートのようなデータ分析を毎月行うのは、結構大変です。

一般的なZチャートの作成は、もちろん従来Excelでも作成できます。

しかし、面倒だったり、できないこともあったり、と課題も。

例えば、従来Excelでは可変しづらいのが厄介だったりします。

直近6か月の傾向は?

こういう時こそ、モダンExcelでZチャート!

モダンExcelを使えば、分析対象期間を自由に可変できるようになります。

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