第11回 新たな洞察を得る! Power Pivotのアドインと起動

Power Pivot for Excel(以下、パワーピボットと呼びます)について解説します。

視点を変えて、新たな洞察を得る、Power Pivot

視点を変えて、新たな洞察を得る。

これは、経営管理の要諦の一つでもあります。

ご存知のように、Excelではピボットテーブルという機能が「新たな洞察を得る」ツールとして従来から活用されています。

例えば、販売データという取引記録(トランザクションデータ)を店舗別や担当者別のように、様々な切り口から視点を変えてデータをクロス集計し、新たな洞察を得て、経営改善のヒントに繋げる、こうしたことが実務で日常的に行われています。

このクロス集計してデータを分析するということを「ダイス・スライス・ドリリング分析」と呼ぶことがあります(図表1)。

図表1 ピボットテーブルの役割「ダイス・スライス・ドリリング分析」

ダイス・スライス・ドリリング分析

ダイスとは“サイコロ”のことです。

ダイス分析とは、軸の組み合わせで分析する手法を指します。

例えば、時間軸や地域軸でデータを分析したり、地域軸と商品軸、あるいは商品軸と時間軸のような形でデータを様々な局面から分析し、新たな洞察を得るというのが「ダイス分析」です。

「スライス分析」とは、商品軸のカテゴリーの中から“りんご”のような一面を取り出して、この“りんご”データを地域軸と時間軸の形式で分析するような手法のことです。

こうした分析の結果、気になるデータがあれば、ピボットテーブル上でダブルクリックすることで詳細レベルを把握できる、これが「ドリリング分析」です。

限界を超えるために、パワーピボットが必要

但し、Excelにはいわゆる“104万行の壁”などの制約もあるので、既存のピボットテーブルでは限界もあります。

そこで登場するのが「パワーピボット」です。

104万行を超えるようなビッグデータを対象にしたクロス集計を行ったり、多種多様なデータを用いてデータ分析を行いたいというのであれば、強力なデータ分析の実行が可能となるパワーピボットは重宝すると思います。

ちなみに筆者は、10億行のデータをPower Pivot for Excelに取り込んだことがあります。

動画では、1億行のデータを読み込んでいます。

動画 読み込めるデータ量の検証

ただ、パワーピボットは既定で「無効」になっています。

活用するには「アドイン」が必要です。

パワーピボットを起動させるアドインという作業

パワーピボットをExcelにアドインするには、[ファイル]タブ、[オプション]、[アドイン] の順にクリックし、[Excelのオプション]画面の下にある[管理] ボックスで[COM アドイン]を選択し[設定]をクリックします(図表2)。

図表2 Excelのオプション

[COM アドイン]がポップアップしますので[Microsoft  Power Pivot for Excel]のチェックボックスに☑して[OK] をクリックします(図表3)。

図表3 COMアドインでPower Pivotに☑

これでリボンに [パワーピボット]タブが追加されExcelで使えるようになります(図表4)。

図表4 Power Pivotタブ

この[Power Pivot]タブから、パワーピボット版のピボットテーブルの作成、メジャーと呼ばれる計算式の挿入や主要業績評価指標 (KPI) の処理、様々なテーブル間のリレーションシップの作成などが行えるようになります。

パワーピボットを起動するには[データモデル]グループの[管理]をクリックします(上記図表4、左側の緑色アイコン)。

なお、パワーピボットはOffice365のほか、Excel2010以降の一部バージョンで対応しています。

詳しくは次のURLをご参照ください。

Service unavailable
Service unavailable support.office.com
Service unavailable

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