第8回 四則演算! 計算列の追加

乗算列の追加

Power Queryエディターを用いて、必要なデータ整理を行います。

例えば、不要な列があれば削除できます。ちなみに、削除することでデータを軽くでき、データ処理時間の節約に繋がります。

もちろん、必要な列を追加(注)することも簡単にできます。

事例は、元データに“純売上高”しかなく、そこに“販売個数”と“定価”それぞれの列を[乗算](いわゆる、掛け算)して“総売上高”を表す列を追加した結果を示しています。

図表1 乗算

この場合、“販売個数”と“定価”というそれぞれの列を選択した状態で[列の追加]タブから[数値から]グループの[標準]アイコン[乗算]をクリックすれば、簡単に“販売個数×定価”、つまり“総売上高”を計算した[乗算]列を計算・表示できます。

F2キーで列名を変更

必要に応じて[乗算]列名で「F2」をクリックし“総売上高”のように列名を変更することもできます。「F2」というショートカットはよく使います。

さて、このように追加したデータ処理は[適用したステップ]に自動的に表示されます。どんなデータ処理をしたのか確認したければPower Queryエディター右側の[適用したステップ]を確認すれば良いだけです。

列(計算列)を追加すると、その分データが増えます。ということは、ビッグデータほどデータ処理に時間がかかるというデメリットがあることになります。このデメリットを回避するには、別の回で後述する「DAX」を理解する必要があります。

計算列で注意すべきこと

注意して欲しいこともあります。

四則演算では、対象となる列の選択=クリックする順番に留意してください。

掛け算(乗算)と足し算(加算)では結果に違いは出ませんが、割り算(除算)と引き算(減算)では結果が異なることになるので注意が必要です。例えば、100÷1=100(図表2)と1÷100=0.01(図表3)のように、対象となる列の選択=クリックする順番により、Power Queryで表示される結果は異なることになります(図表2と図表3の違い)。

図表2 列1を選択後、列2を選択(除算)
図表3 列2を選択後、列1を選択(除算)

データ型にも留意してください。

図表2も、図表3も、いずれの列ともに“123”(整数)または“1.2”(10進数)というアイコンになっていることを確認できます。

四則演算をするのであれば、このデータ型を示すアイコンが“テキスト”型では計算できずにエラーとなります。

これも初心者に見られがちな“Power Queryあるある”です。

【ワンポイント】 Power Queryの計算機能いろいろ

Power Queryには四則演算を行う[標準]のほか、[指数]や[三角関数]、合計値や平均などを計算する[統計]、四捨五入や切り捨て・切り上げ処理ができる[丸め]、奇数・偶数のデータ抽出などに役立つ[情報]という、データ整理で重宝する機能が備わっています。

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「正しいモダンExcel」の使い方の基本を学ぶには、Power Query(パワークエリ)とPower Pivot for Excel(パワーピボット)の両者を「一体理解」する必要があります。
ぜひ、拙著「モダンExcel入門」(日経BP)で学んでみて欲しいと思います。
サンプルデータで、実際に手を動かしながら、理解を深めることもできます。参考にしてください。

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「モダンExcel研究所」を楽しむ際の【注意事項】

コンテンツコピー、スクレイピングなど【厳禁】 ☚【検知ツール設置済】☚悪質な場合【法的措置】を講じます

(過負荷によるサーバー障害が生じた経験上、ご協力お願いいたします!)

今回のポイント

・対象となる列の選択=クリックする順番により、四則演算[標準]の結果が異なる。

・四則演算する場合、データ型が“テキスト”型ではエラーとなる。

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